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ロン・ミュエック展

 今日は金沢市にある金沢21世紀美術館に行ってきました。企画展のロン・ミュエック展を鑑賞で~す。GW中ということもあり館内は大変な賑わいでした。
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 ロン・ミュエックさんはオーストラリアメルボルン出身で、現在はロンドン在中の彫刻家です。今回、日本で初めての個展が開催されました。

ロン・ミュエック展_b0137346_22352144.jpg ミュエックさんの作品はシリコン、ファイバーグラスといった現代的な素材を用いながらも古典的な鋳造の技法によって人間の身体を精緻な彫刻により表現しています。
 髪や皮膚のしたの血管まで克明に描出する極限のリアリズムと、巨大であったり極小であったりするサイズの非現実性が交錯する作品世界は、現代社会における人間の存在性についての批評ともとらえられます。
 身体と精神、日常と非日常を横断するミュエックさんの作品世界は、「創造」と「人間の存在性」の関係という芸術における根源的な問題を我々に鮮烈に突きつけ現代美術界の注目を集めています。


 下の作品は今回の展覧会には並んでいませんでしたが、図録中印象に残る彫刻でしたので、紹介しておきます。「MOTHER AND CHILD (母と子)」という作品です。全長54cmの母親が、たった今出産を終えた様子を表現した作品。赤ちゃんは、胎児時代にいたかつての定位置に横たわり、そのことで母親のお腹はややしぼんで見える。そしてその赤ん坊を静かに見つめる母。その母の髪の毛が出産のために乱れ、汗をかいている様子など完璧なまでのリアリズムです。
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         彫刻もこの域にまで達すると凄まじいエネルギーを感じます。
        会期は2008年4月26日(土)~2008年8月31日(日)まで。
by konoboru | 2008-05-01 23:18 | 芸術
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